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約束だよ
「また妙なことやってやがんのか………」
それはリッカからもたらされた情報。
『トオルさんが妙な形の器を作ってたんですけど、なんだか知ってます?』
というか、トオルさんって器用ですよね
………後半はさておき。
また変な事態にならなければいいのだが。
「許可もなしに開けるなんて!」
「ノックはしたんだがな」
トオルの部屋はかすかに酒の匂いがした。
「お前は幾つだ?ついでに今は何時だ」
「十八歳の10時よ。それがなにか?」
「開き直るな」
「開き直りもするね。だって飲んでないもの」
じゃあなんで酒の匂いがするんだ、と視線で訴える。トオルはそれを見て退かないと察したのか、ため息をついてソーマを部屋の奥へ連れ込んだ。
ソファーに座ってぐるりと見回すと、部屋の隅に妙な形の器が二つ並んで大きなタライの中に鎮座しており、そこから小さな木が刺さっていた。そのソーマの視線に気づいたトオルが、こちらもまた壺を抱えて答えた。
「リッカは知らなかったみたいだけど、ソーマは知ってる?植木鉢っていうんだよ。主に室内で植物を育てる用になってるんだ。で、今植えてるのはこないだ運ぶの手伝ってもらったやつだよ」
植木鉢とらやらが随分と立派すぎるからか、植わっている植木がひょろく見える。
「一本はウメだよ。もう一本は………秘密」
「で、お酒の匂いはコレね」
蓋をとると、甘酸っぱいが鼻に透き通るようなアルコールが香ってきた。
「八年モノの梅酒でーす」
梅酒とは、青梅をまず種から取り除くことから始まる。そして一週間ほど時折ひっくり返しつつ天日干しにして乾燥させた梅を砂糖と交互に敷き詰めて最後に蒸留酒を注いでできるものである。
「お酒は米焼酎からなので、よりフルーティーになってるはず!」
「っつーことは飲んだことあんだな」
「うぐっ………でも一口だけだもん」
ごまかし笑いで蓋を閉め、クローゼットの中へ仕舞った。
「あれはね、トオヤとハルカと一緒に漬け込んだの。」
八年前、一口だけ飲ませてもらった十年モノの梅酒。濃厚な味と香りは忘れられない。しかしたったの三口分しか残っていなくて、とても残念だった。だから、十年後また一緒に飲もうと漬けたのだ。
「それで、ちょっと気になってね。八年モノはどんなんかなーっと」
「飲もうとしたのか」
「皆で飲もうと思ってちょっとだけ移しかえて終わったとこにソーマが来たの!」
「お前とコウタとアリサは未成年だろうが」
「いいでしょ一口くらい。それに今飲むわけじゃないし。それに………約束したいの」
「二年後、またこのメンバーで飲もうねって」
それは叶わなかった願い
「ほんじゃーとりあえず今日もお疲れさんってことで」
『かんぱーい!!!』
カチンカチンカチンッ
一口サイズのグラスが涼やかな音をたてていく。
「果実酒って初めて飲んだが、結構うまいなぁ」
「酸っぱいけど、強調しない甘さがあって美味しいわね」
さすが、酒をたしなむこと五年以上の雨宮夫妻は感想も細かい。
「飲みやすいけど度数高めだな。コウタ、アリサ一気に飲むなよ」
「旨いけど、あんま酒って感じしないなー」
「こういうお酒なら飲みたくなります」
タクヤはまだまだ未成年の二人に注意を促す。コウタはどうも酒に対して理想があったようだが、それでも美味しそうに飲んでいる。アリサも最初はおっかなびっくりしていたが、舐めてみておきに召したようだった。
「あと二年たったらもっと美味しいの飲めるよ」
「死ぬ気ねーけど、余計死ねなくなったな」
「また一緒に飲もう!」
二年後、誰一人としてかけることなく
また次への約束をしよう
それはリッカからもたらされた情報。
『トオルさんが妙な形の器を作ってたんですけど、なんだか知ってます?』
というか、トオルさんって器用ですよね
………後半はさておき。
また変な事態にならなければいいのだが。
「許可もなしに開けるなんて!」
「ノックはしたんだがな」
トオルの部屋はかすかに酒の匂いがした。
「お前は幾つだ?ついでに今は何時だ」
「十八歳の10時よ。それがなにか?」
「開き直るな」
「開き直りもするね。だって飲んでないもの」
じゃあなんで酒の匂いがするんだ、と視線で訴える。トオルはそれを見て退かないと察したのか、ため息をついてソーマを部屋の奥へ連れ込んだ。
ソファーに座ってぐるりと見回すと、部屋の隅に妙な形の器が二つ並んで大きなタライの中に鎮座しており、そこから小さな木が刺さっていた。そのソーマの視線に気づいたトオルが、こちらもまた壺を抱えて答えた。
「リッカは知らなかったみたいだけど、ソーマは知ってる?植木鉢っていうんだよ。主に室内で植物を育てる用になってるんだ。で、今植えてるのはこないだ運ぶの手伝ってもらったやつだよ」
植木鉢とらやらが随分と立派すぎるからか、植わっている植木がひょろく見える。
「一本はウメだよ。もう一本は………秘密」
「で、お酒の匂いはコレね」
蓋をとると、甘酸っぱいが鼻に透き通るようなアルコールが香ってきた。
「八年モノの梅酒でーす」
梅酒とは、青梅をまず種から取り除くことから始まる。そして一週間ほど時折ひっくり返しつつ天日干しにして乾燥させた梅を砂糖と交互に敷き詰めて最後に蒸留酒を注いでできるものである。
「お酒は米焼酎からなので、よりフルーティーになってるはず!」
「っつーことは飲んだことあんだな」
「うぐっ………でも一口だけだもん」
ごまかし笑いで蓋を閉め、クローゼットの中へ仕舞った。
「あれはね、トオヤとハルカと一緒に漬け込んだの。」
八年前、一口だけ飲ませてもらった十年モノの梅酒。濃厚な味と香りは忘れられない。しかしたったの三口分しか残っていなくて、とても残念だった。だから、十年後また一緒に飲もうと漬けたのだ。
「それで、ちょっと気になってね。八年モノはどんなんかなーっと」
「飲もうとしたのか」
「皆で飲もうと思ってちょっとだけ移しかえて終わったとこにソーマが来たの!」
「お前とコウタとアリサは未成年だろうが」
「いいでしょ一口くらい。それに今飲むわけじゃないし。それに………約束したいの」
「二年後、またこのメンバーで飲もうねって」
それは叶わなかった願い
「ほんじゃーとりあえず今日もお疲れさんってことで」
『かんぱーい!!!』
カチンカチンカチンッ
一口サイズのグラスが涼やかな音をたてていく。
「果実酒って初めて飲んだが、結構うまいなぁ」
「酸っぱいけど、強調しない甘さがあって美味しいわね」
さすが、酒をたしなむこと五年以上の雨宮夫妻は感想も細かい。
「飲みやすいけど度数高めだな。コウタ、アリサ一気に飲むなよ」
「旨いけど、あんま酒って感じしないなー」
「こういうお酒なら飲みたくなります」
タクヤはまだまだ未成年の二人に注意を促す。コウタはどうも酒に対して理想があったようだが、それでも美味しそうに飲んでいる。アリサも最初はおっかなびっくりしていたが、舐めてみておきに召したようだった。
「あと二年たったらもっと美味しいの飲めるよ」
「死ぬ気ねーけど、余計死ねなくなったな」
「また一緒に飲もう!」
二年後、誰一人としてかけることなく
また次への約束をしよう
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