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知る前に、見てくれ
書くのは自分
誰にも知られたくないけど、君は知っていて
でも知らないでいて
「………移動?」
タクヤは朝一番にツバキから呼び出しを受け、朝の支度もそこそこに支部長室へと向かって、告げられた事実。
ソーマ・コウタ・トオルの三人が第五部隊へ移動したということ
「遠征から戻ってきたら正式な部隊として動いてもらうことになっている。もちろん、互いに人数が足りない場合は協力すること」
「それは、まぁ」
「…………不満か?」
「危険、ですよね。俺やリンドウさん、ソーマがやっていた第七部隊を公式に設置したようなものじゃないですか」
「上からの命令でな。ソーマとトオルをそのように配置するようにと言われた」
「その本部に送った………いや、呼ばれたんですか?」
「あぁ――――心配だとは思うが、お前が崩れれば」
「わかってます………無事でも祈ってますよ、カミサマなんていないけど」
「タクヤ………」
「ソーマがいれば、トオルは大丈夫でしょう。コウタもいるし」
ツバキのなんとも言えない視線を背中一杯に受けながら部屋を辞した。
「嘘だろ………」
急いでエレベーターに乗って自室まで駆け戻った。ズルズルとドアにもたれ、しゃがみこみ両手で顔をおおう。
二人の仲が他と比べてはるかに親密なのは知っていた。それが同類としてなのか気が合うのか定かではないが、とにかくしょっちゅう一緒にいた。それはアーク計画を知る全員が喜ばしく思っていることだ。ソーマはトオルが来てからさらに人付き合いがよくなったし、トオルも人に甘えるようになった。お互いにいい影響を与えているのは明らかである。
タクヤも二人が前を見ることがとても嬉しい反面、寂しく妬ましくも思っているのだ。ソーマが一番に心を開いたのはシオだが、次はタクヤであって親友だと思っている。トオルにばかり気がいって寂しく思う。逆にトオルは生きるということを楽しんでいる。こんな世界で、何度も絶望を味わったにも関わらず、彼女の笑顔は晴れやかである。それは今の現状にどんな小さなことでも感謝を忘れないからだ。そんな生きざまがとても好ましく思う。だからそんな彼女が今一番のお気に入りがソーマであるのが、妬ましいのだ。
「俺………すげー嫌な奴じゃん」
二人が好きだから、まだ恋愛に至ってはいないが応援したい。一時期、他人を寄せ付けなかった二人だから。
しかしこの複雑な感情はどちらも失ってしまいそうだ。
「とりあえず、死んでくれるなよ………」
「へっくし」
「風邪か?」
「うーん、誰かが噂してたのかも」
「おい、前っ前!」
ただ今例の五体を本部の無事な討伐班とともに討伐中である。
「行くか」
「ゆけー臓物はれつだーん。脳天ちょくげきだーん」
身体中にくっついて破裂を続けるバレッドで混乱しているアラガミに、真っ先に斬りかかるのはソーマ。そしてソーマに気がいっているあいだにOアンプル剤を飲み込んで同じようにバレッドを発射させるトオル。それを五回ほど続けるとディアウス・ピターは倒れて動かなくなった。このコンビネーションはもう慣れたものである。
「もう一体いくぞ」
「りょーかいっ」
同じようにディアウスを倒していく。
コウタや他のゴッドイーター達は呆気にとられてそれを眺めていた。
「あーアンプル切れちゃったや。おーいコウタ」
「な、なんだ?」
「このバレッド貸すからさ、さっきの私みたいにやってくれないかな」
「ああ、うん。わかった」
トオルは剣形態に変え、耳を澄まし辺りを探る。
(二人だけで怪我もほとんどなく任務から帰ってくるだけのことはあるなぁ)
ヒソヒソ
ボソボソ
本部のゴッドイーター達が英語で何かを話している。コウタは英語や英会話が苦手で全くわからないが、どんな感じかはわかる。悪口だったりすると、あからさまな態度であるからだ。
耳のいい二人ならば、聞こえているだろう。
「どうやら離れて喰ってるみてぇだな」
「二手にわかれたほうが効率的ね。私たちともう一人、遠距離を借りて堕天に行こうか」
「………どうした、コウタ」
「え、あ、いや、なんでもない………」
言葉を濁す様子にトオルとソーマは顔を見合わせる。
「とりあえず伝えてくるね」
固まっているゴッドイーター達に近づいて流暢な発音で説明している。
「…………おい」
「え?」
「プライドだかなんだか知らねぇが、戦いにんなもんいらねぇ。死を招くだけだ。生き死ににプライドなんて関係ない」
「そらまぁ、そうだな」
「だから勝手に死なせとけ」
「…………」
ゆっくりと二回、まばたきを繰り返す。こんなことを言う奴だっただろうか。
(……………あぁ、そうか)
それは厳しい心配だった。つまり、そんなやりかたでは死んでしまうから改めろと言いたいわけなのだ。
「――――本っ当、丸くなったよなぁ」
「連れてきたよー」
コウタの呟きは誰にも聞こえることはなかった。
『怪物のようだ』
化け物となんら変わりないな、という感想だけだ。それよりも優先されるべきはアラガミの討伐である。しかし下らないと切り捨てたいが、そうそう放っておけるはずもなく。
『慣れているのね』
『日本はアラガミが多いから』
『けれどあなた達は派遣に回されるくらいだもの。極東の中でもエリートではないの?』
『みんな似たり寄ったりよ。まぁ私とコートの彼は馬鹿力だからじゃないかな』
『あぁ、彼は黒人みたいだしね』
チクチクと遠回しに言ってくるのはトオルに任せてコウタと二人で索敵を続ける。これが二週間も続くのかと思うと、先が思いやられる。
「…………いたぞ」
さっさと討伐するにかぎった。
「着いて早々の討伐ご苦労」
帰投してすぐに本部長に呼ばれた。部屋に入るとすぐ、壮年のいかにも上に立ちそうな厳つい顔をした男が三人を出迎えた。
「私はマルドゥク・ゴーランド。二週間程だけだが、よろしく」
にこりともしない、愛想のない男である。とはいえ三人も会釈をしただけであるから、お互い様だ。
「部屋は二つだ。どのように分けるのも結構。必要なものは理由を明確にして言ってくれ。出来るだけ用意しよう――――以上だ。今日はゆっくりしてくれ。明日からはこちらの人間と任務にあたってもらう」
退室する時も、彼はずっとトオルを見つめていた。
「なぁ、トオル大丈夫かな」
「あいつも薄々は気づいているだろう。迂闊な奴じゃねぇし、ホイホイ部屋を開けないだろ」
「二週間がこんなに長く感じるのって後にも先にもこん時だけだろうなぁ………」
用意された部屋は二人部屋だった。ターミナルも冷蔵庫も、簡素な調理台もある。
「本部には二人部屋なんかあるんだなぁ」
「こっちの学校じゃ寮に入るのが当たり前で、しかも二人以上がざらだ」
「せーしん構造が違うって訳か」
物知りだよなーなんて言いながら早速菓子袋を開ける。感心しているのかいないのか。
『一言くらい、メールでもいいから言ってくださったらよかったのに』
「うん、ごめんね?とにかく急なものだったから。そんなに怒らないでよ、アリサ」
『もう過ぎてしまいましたからいいですけど………心配したんですからね!』
「約束破ってゴメン。帰ったら絶対一緒にやろう?」
『絶対ですよ!………ちゃんと生きて帰ってきてくださいね』
「もちろん!――――うん、じゃあね」
画面通話を終えたトオルはベッドに倒れこんだ。一日でどっと疲れた気がした。なにせ、こんな思惑渦巻く中に放り込まれてしまったのだから。おそらくきっと、ソーマとコウタは巻き込まれただけだ。
「怪我、しないようにしなくちゃ………」
本部長のあの視線は、研究者の目だった。普通のゴッドイーターであるはずなのに女性にしては驚異的な身体的な数値を出すトオルを、調べたいのだ。バレたら終わりだ。実験台にされて、そして同じ境遇の人間が生まれてしまう。なんとしても避けたいことである。
しかし今は長距離の移動と大型の集団アラガミの討伐で疲れた体を癒すことに専念した。
『いよっ!お疲れさん』
ソーマが素材を倉庫へ送ろうとターミナルを起動させたちょうどタイミングよくタクヤから画面通話がかかってきた。コウタなんかは横からタクヤに向かって手を振っている。
「…………仕事はどうした」
『後もう少しで出発だなー。まぁそれまで付き合ってくれよ。聞きたいこともあるしさ』
「―――――で?」
『トオルはどうした?』
突然真面目な顔をしてきた。
「………聞いたのか」
『軽くな。でも問題は軽くないだろう?』
「気を付ける、しかないな。強行な手段さえなければだか」
『そうか。だよな………トオルのこと、頼むよ』
ソーマのまとう空気が不穏なものに変わったのを、まさしく肌で感じ取るコウタ。
『二人も気を付けろよ?――――仲間を失うのはもう沢山だ』
そう言い残して、通信は切れた。
「ソ、ソーマ………?」
「もう寝ろ。睡眠不足で怪我しても知らねぇからな」
物凄く、イラついた。まるで自分のモノのように。だからといってまだ誰のモノでもないが。
そう、『まだ』
誰かの隣で、
笑うのだろうか
泣くのだろうか
いくらしょっちゅう近くにいたって
アイツは――――
まだ逝った人間に心を寄せている
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