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私は貴方を知りたい
「おい、ルーキー!」
アナグラに帰投後、エントランスのターミナルで入手した素材を倉庫に突っ込んでいる時のことだった。
「お前、よく帰ってこれたよなぁ」
名前も知らない青年がニヤニヤ笑いながらトオルに話しかけてきた。とりあえず今のところトオルが一番階級が低いため敬語を使うべきだろうと、なんとなく嫌な予感がしつつも答える。
「どういう意味です?」
今回のミッションはグボロ・グボロ二体の堕天種。どんなミッションでも言えることだが、気を抜きさえしなければ死ぬようなことではない。
「だってアイツと行ったんだろ?」
質問に質問で返してくるなと思う。
しかして人間、問われれば反射的に考えてしまうもので。今回事にあたったのはソーマとアリサだ。二人どちらも手慣れているし、それを過信していない。
「黒い奴はな、【死神】って言われてんだよ。お前が入る前までにどれだけ死んだか――――」
「ソーマ!!」
「……………おい」
ノックもなしに襲撃してきたトオルに、ソーマは思い切り顔をしかめた。
「私、決めたから!」
「何を」
どこを気に入ったのかわからないが、トオルはソーマになついている。作っていた壁さえなければトオルはとても人懐っこいものだった。
しかしとて、いい年した女がまだまだ青年真っ盛りの部屋に飛び込んでいいものなのかと頭が痛くなる。
「トイレとお風呂と寝るとき以外はずっとソーマの側にいるからね!」
ゴフッ
今まさに喉へ流そうとしていたコーヒーが気管に入りそうになって、むせた。
「げほっ………」
「大丈夫?」
「そりゃこっちの台詞だ………なんだ藪から棒に」
「証明しようと思って」
それは以前から聞いていた言葉だった。
ツバキが、
リンドウが、
サクヤが、
コウタやアリサが、
ソーマが決して【死神】ではないことを証明すると、豪語しているものだ。正直ソーマにとってもはやそんなことはどうでもいいことだから、放っておけばいいのに。
「んなもん、ほっとけ」
「イヤ………それにトオヤが言ってたよ。一人より二人や三人でいるほうが幸せだ、って」
「………トオヤ?」
「お父さん。私とハルカを拾ってくれたの。奥さんと子供を亡くしててね、だからこそとてもそう思うって言ってた」
「一人になりたい時もある、けどずっと一人ぼっちじゃ生きられないよ。人間は一人で生きていけないもの」
誰かが助けてくれるから、生きていける。それはこの仕事で死と隣り合わせだからこそ、まじまじと感じて知っている。
「それにね、私はソーマといると楽しいし落ち着くんだけど」
「……………楽しいか?」
「ソーマって、いっつも難しそうなこと考えてるーみたいな顔してるけど、本当は新しく入れた音楽に耳を傾けてたりただぼんやりしてたりしてるでしょ」
まさか見破られていたとは。
常に無表情で、ややつり目の顔は普通にしていても不機嫌なように見えるらしく、人は寄ってこない。ありがたいことだと思っていたのだが、まさか観察されていたのに気づかなかった。
「それに、私あんまりおしゃべりが好きってわけじゃないしね。話題がぽんぽん変わるのがちょっとね………っていう理由もあるから、よろしく!」
「お前な………」
そこに、乱入者。
「トオル、いるー?」
「開けるぞー」
自分の部屋に三人もの人間が入ってきたことは、サクヤが正式に入隊したときの歓迎会という飲み会以来だ。あの時潰れたのは自分だけだったなと思うのとむしろ潰されたのだと思うのはほぼ同時だった。
「ほら、ね?いたでしょう」
「それもそれで問題なような気がするがな………」
サクヤとリンドウは苦笑をしている。
「トオル、支部長がお呼びよ」
その言葉にトオルは思い切り顔をしかめた。
「行かなきゃ駄目?」
「駄目だなぁ」
「うぅ、行ってきま~す………あっ、ソーマ。後でご飯一緒に食べようね」
彼女に犬耳と尾がついていたら確実に垂れ下がっていただろう。どんよりとした足取りで部屋を出ていった。
「………何をしたんだ、アイツは」
勝手に寛ぎ始めた二人にソーマは問う。
「んー………喧嘩、なのかしら?」
「一方的のな」
「見てた人が言うにはね、男の人にトオルが話しかけられて、しばらく会話してたらしいんだけど、トオルがいきなり近くにあったターミナルを蹴り壊しちゃったんですって」
「そいつ、外傷はないものの何を言われたんだか物凄いショックを受けたようでな、腰が抜けたらしい」
むしろターミナルを蹴り壊したことに腰を抜かしたような気もするが。
「二言、三言何か言ってからどっかに行っちゃってね。もしかしたらここかしらーなんて。ドンピシャリだったわね」
これで話が繋がった。十中八九、トオルはソーマの噂を聞かされたのだ。その結果があの言葉だったのだろう。
「…………にしても極端すぎるだろ」
しかし冷静な部分は残っているぶんだけ、まだいいのだろうか。
「何か言ったか?」
「なんでもねぇ。早く出ていけ」
まだ違う
まだ知らない
物語は始まったばかりなのだ
アナグラに帰投後、エントランスのターミナルで入手した素材を倉庫に突っ込んでいる時のことだった。
「お前、よく帰ってこれたよなぁ」
名前も知らない青年がニヤニヤ笑いながらトオルに話しかけてきた。とりあえず今のところトオルが一番階級が低いため敬語を使うべきだろうと、なんとなく嫌な予感がしつつも答える。
「どういう意味です?」
今回のミッションはグボロ・グボロ二体の堕天種。どんなミッションでも言えることだが、気を抜きさえしなければ死ぬようなことではない。
「だってアイツと行ったんだろ?」
質問に質問で返してくるなと思う。
しかして人間、問われれば反射的に考えてしまうもので。今回事にあたったのはソーマとアリサだ。二人どちらも手慣れているし、それを過信していない。
「黒い奴はな、【死神】って言われてんだよ。お前が入る前までにどれだけ死んだか――――」
「ソーマ!!」
「……………おい」
ノックもなしに襲撃してきたトオルに、ソーマは思い切り顔をしかめた。
「私、決めたから!」
「何を」
どこを気に入ったのかわからないが、トオルはソーマになついている。作っていた壁さえなければトオルはとても人懐っこいものだった。
しかしとて、いい年した女がまだまだ青年真っ盛りの部屋に飛び込んでいいものなのかと頭が痛くなる。
「トイレとお風呂と寝るとき以外はずっとソーマの側にいるからね!」
ゴフッ
今まさに喉へ流そうとしていたコーヒーが気管に入りそうになって、むせた。
「げほっ………」
「大丈夫?」
「そりゃこっちの台詞だ………なんだ藪から棒に」
「証明しようと思って」
それは以前から聞いていた言葉だった。
ツバキが、
リンドウが、
サクヤが、
コウタやアリサが、
ソーマが決して【死神】ではないことを証明すると、豪語しているものだ。正直ソーマにとってもはやそんなことはどうでもいいことだから、放っておけばいいのに。
「んなもん、ほっとけ」
「イヤ………それにトオヤが言ってたよ。一人より二人や三人でいるほうが幸せだ、って」
「………トオヤ?」
「お父さん。私とハルカを拾ってくれたの。奥さんと子供を亡くしててね、だからこそとてもそう思うって言ってた」
「一人になりたい時もある、けどずっと一人ぼっちじゃ生きられないよ。人間は一人で生きていけないもの」
誰かが助けてくれるから、生きていける。それはこの仕事で死と隣り合わせだからこそ、まじまじと感じて知っている。
「それにね、私はソーマといると楽しいし落ち着くんだけど」
「……………楽しいか?」
「ソーマって、いっつも難しそうなこと考えてるーみたいな顔してるけど、本当は新しく入れた音楽に耳を傾けてたりただぼんやりしてたりしてるでしょ」
まさか見破られていたとは。
常に無表情で、ややつり目の顔は普通にしていても不機嫌なように見えるらしく、人は寄ってこない。ありがたいことだと思っていたのだが、まさか観察されていたのに気づかなかった。
「それに、私あんまりおしゃべりが好きってわけじゃないしね。話題がぽんぽん変わるのがちょっとね………っていう理由もあるから、よろしく!」
「お前な………」
そこに、乱入者。
「トオル、いるー?」
「開けるぞー」
自分の部屋に三人もの人間が入ってきたことは、サクヤが正式に入隊したときの歓迎会という飲み会以来だ。あの時潰れたのは自分だけだったなと思うのとむしろ潰されたのだと思うのはほぼ同時だった。
「ほら、ね?いたでしょう」
「それもそれで問題なような気がするがな………」
サクヤとリンドウは苦笑をしている。
「トオル、支部長がお呼びよ」
その言葉にトオルは思い切り顔をしかめた。
「行かなきゃ駄目?」
「駄目だなぁ」
「うぅ、行ってきま~す………あっ、ソーマ。後でご飯一緒に食べようね」
彼女に犬耳と尾がついていたら確実に垂れ下がっていただろう。どんよりとした足取りで部屋を出ていった。
「………何をしたんだ、アイツは」
勝手に寛ぎ始めた二人にソーマは問う。
「んー………喧嘩、なのかしら?」
「一方的のな」
「見てた人が言うにはね、男の人にトオルが話しかけられて、しばらく会話してたらしいんだけど、トオルがいきなり近くにあったターミナルを蹴り壊しちゃったんですって」
「そいつ、外傷はないものの何を言われたんだか物凄いショックを受けたようでな、腰が抜けたらしい」
むしろターミナルを蹴り壊したことに腰を抜かしたような気もするが。
「二言、三言何か言ってからどっかに行っちゃってね。もしかしたらここかしらーなんて。ドンピシャリだったわね」
これで話が繋がった。十中八九、トオルはソーマの噂を聞かされたのだ。その結果があの言葉だったのだろう。
「…………にしても極端すぎるだろ」
しかし冷静な部分は残っているぶんだけ、まだいいのだろうか。
「何か言ったか?」
「なんでもねぇ。早く出ていけ」
まだ違う
まだ知らない
物語は始まったばかりなのだ
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