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でも、本当は





だれも、わたしに、ふれないで



コワレテシマウヨ






「アリサ?」

タクヤとソーマがエントランスに戻ると、アリサが今にも泣き出しそうな顔をして二人を出迎えた。

「ハルカ、さんのことで、サカキさんが」



「病室に来るようにって」





「何があったんです?」

病室ではベッドに目元を赤くはれさせて眠っているハルカと、離れたところで椅子に座って項垂れているディーグ。ハルカの両隣に立っている、いつもどおり腹が読めない微笑みのサカキと、困惑を隠しきれていないコウタ。そしてハルカが眠っているベッドの向かいのベッドに座っているのがリンドウとサクヤ、ツバキ。他の第一部隊はいない。

「………もしかして【アーク計画】と関係が?」
「近からずとも遠からず………ってとこかな。私もこれから詳しく聞こうと思ってね」

「とりあえず、私が持っている情報を言おう」





「メディカルチェックを行った際、筋肉や新陳代謝など諸々の数値が18歳の女性平均を異常に上回るものだった。そこで血液や細胞を少々頂いて詳しく調べてみると



微量ながらオラクル細胞の核が摘出された」



さらに詳しく調べてみたが、この細胞はハルカの細胞――――遺伝子に上手く組み込まれたものだった。

「えぇっと?」

コウタはもう理解力がショートしそうなぐらい難しい話のようだ。

「簡単に言えば、4分の3が人間で残りがアラガミってことだよ…………と、言いたいところだけど。そう断定も出来ない」
「なんのこっちゃ」

理解力はあるものの、難しい話は好まないリンドウがため息をついた。

「彼女はオラクル細胞を使って筋力や新陳代謝をよくしていた。つまりオラクル細胞の完全な分析により、彼女の細胞が出来ている…………おそらく、限りなく人間に近いアラガミの合の子(あいのこ)ってわけだ。故に彼女はP53偏食因子を生成することが出来ない」



「そしてシノサキ博士は【一人娘】の存在を消した………そうですね?ディーグくん」





「この実験が成功したのはハルカお嬢さんが神機との適正がとても高かったからに過ぎない」

シノサキ博士夫妻はそうそう子供が出来て母子ともに命の危険にさらされない、まだギリギリの年齢になってようやく子供を授かった。中々出来なかったから、待ちに待った待望の子供。しかし、ようやく生まれてきた子供は身体が弱く、長くは生きられないと診断された。しかも神機の適正があると言われてしまった。
夫妻は恐怖した。

適合した神機が出てきたら娘はフェンリルに徴集される
ただでさえ身体も弱いのに死に最も近い場所へ送られてしまう



愛しい待望の子供が死んでしまう!



「当時の私はシノサキ博士の研究を手伝いながら独自にオラクル細胞について研究していた。中々画期的な結果は出ていなかったが、オラクル細胞を研究している人間は少ない。それに私は生物学も手がけているとのことで、マーナガルム計画に呼ばれていたんだ………どんなことか詳しくは聞けなかったが、人間にいかにして害が少なくオラクル細胞を取り込むことが出来るかということ」

結局は計画に参加することはなかったが、秘密裏に調べてみると、初めてオラクル細胞を投与された人間が、人間の身体能力を大幅に越えたという話を聞いて、これだと思った。

「私はあくまでも、お嬢さんの身体が丈夫になるんじゃないかと思って話をしたんだ」

だけれど夫妻は、禁忌に触れた。



「人が人を作ることは、今も昔も禁忌なのにっ」



シノサキ博士は、クローン技術の第一人者だった。





シノサキ博士が所有していた研究所は地下深く。アラガミの大侵略に逃れた施設は世界に知られることはなかった唯一の最先端技術が集まった場所だった。

「つかクローンって、何?」
「そんなことも知らないんですか?………ある生物の細胞の遺伝子情報を元につくられた同一の遺伝子をもつ生物、のことですよね」
「そう、まぁ一般的にはそう知られているね。では補足として専門的に言うと、
(以下、読まなくても大丈夫です)
クローンとは体細胞クローンが正式名。まず多分化する前の受精卵から一部を切り取り、細胞分裂を一時止める。次に未受精の卵子に、簡単に言ってしまえば爆発のようなことをして、二つの融合をしっかりする。これがクローン技術のスタンダードなやり方だね。ただし、哺乳類として成功したのはヒツジ・ウシ・イヌぐらいだったけどね。他にも体細胞から細胞核を取り出し、これも同じように未受精の卵子に注入するという方法もある」



「ただし、クローンはテロニアという物質が短いため寿命も短く、また元の体細胞に全く似ていない」





どんなに同一の遺伝子をもっていても
たとえ一卵性双生児と似たような作り方だとしても
血管の配列パターンや指紋(鼻紋)や外見や性格は全く違うものだった

「だから私は彼女たちが恐ろしかった」

オラクル細胞と上手く融合を果たしたハルカの細胞は百ほど。その中で人の形を成したのが三体。それらは羊水に似せた培養液ポッドで成長した。

「1号は十月十日(とつきとおか)に沿って出したが、オラクル細胞に耐えきれず脆く崩れてしまった。2号は二年後に出したが同じように死んでしまった………三年後、3号が、成功した」

ポッドから出された彼女は、ハルカにそっくりであった。

「元来似ないはずのクローンだが、どうもそれはオラクル細胞が関係しているらしい。アラガミはコアの種類によって決定される。つまり元に合わせてオラクル細胞が結合されるというわけだ」



「3号は異常なまでに知識に対し貪欲で、たった一月(ひとつき)で5年分、いやそれ以上の知識と体力を手にした」



そして私は恐ろしくなった




知識と体力を手に入れた3号は、ハルカと対面した。お互いにお互いの姿に驚いていたが、すぐさま仲良くなった。周りには大人しかいなかったからだ。
共に遊び、食べて、寝て、、勉強して、いたずらをして。
いつもどんなときでも一緒だった。

「それのどこがおかしいのかしら。同じ遺伝子で同じ場所で生活してたら、多少は似てくるのは当たり前じゃない?」
「多少どころじゃない。全て同じなんだ。外見・身長・体重だけでなく言葉や行動や思考までも、とにかく異常なほどそっくりなんだ!」

笑い方も話し方も、まるで鏡のように。二人が偶像ではないことは、触れなければわからないほど。

恐ろしかった
怖かった
唯一違うのが名前だけなんて
そして夫妻が満足そうに笑うのが



「………それは嘘だろう」





ソーマの突然の発言に一様に驚いた顔をしたのだが、気にすることなく淡々と

「コイツこう見えて猪突猛進の好戦的だ。好奇心も大勢(おおせい)で素材の他にもガラクタを集めているぞ」
「ガラクタ収集うんぬんはともかく、結構細かいことは苦手ですよね。銃で撃つとき、標準を合わせずに放つものですから、たまに外しますし」

「本物のハルカもこうだったのか?」





私はワタシ
貴女はアナタ
私は私にしかなれないし
貴女は貴女にしかなれない

ねえ、どうか【ハルカ】にならないで
私は【トオル】が大好きだから



トオルを殺してしまわないで



初めて会った【オリジナル】。何の感情もわかなかった。ただ、ポッドから出たときから言われ続けていた、【死んだ時の変わり】の話と【ボディガード】の話をぽんやりと思い出した。
彼女は私にたくさんの感情を教えてくれた。最初は真似るだけだったけど、胸の内に燻るくすぐったいものやキリキリするもの、沢山。やがていつしか私は自分が可笑しい時に好きなように笑った。

たった一回だけ

そうしたら【両親】にあたるらしい人たちが悲しそうな顔をして、怒った。「ハルカはこんなときにそんな風に笑わない」と。

そういえば私は、
3号という、味気ない名前だった
そういえば私は、
いつもハルカの後に抱きしめられた、話しかけられた、時にそれらが無かった。

私はずっと、自分で自分を殺していかなければいけないの?

「トオル」
「………?」

早々に諦めた私は、自室にいるときが一番好きだった。両親は忙しいから中々研究所から戻ってこれないから、喜んでもいた。そんなとき、ハルカが知らない名前を私に言った。

「トオル。あなたの名前。だって父さまと母さま、ひどいわ。3号なんて、かわいくない名前。だからね、私がつけてあげる」

「二人の秘密よ」

そして由来も教えてもらった。
【遥】と【透】
似ているようで字体も意味も全く違うもの。

「トオルはトオルでいいのよ。私はまだ生きてるのに。私、もう耐えられない」
「逃げるの?」
「私たちの本当の故郷って、日本なんですって。あそこはアラガミがいっぱいいるみたいだけど、そのぶん見つかる確率は低くなるわ。ほとんどが無法地帯だもの」

そうして10歳の夏、私たちは家出した。



極東方面に向かう飛行機に密航しながら、一ヶ月後。とある外部居住区にたどり着いた。しかしそこはいっぱいで、私たちが住めるような場所はなかった。仕方なしにそこから出て、さ迷った。
しばらく転々としながら生活していた。自分らしく振る舞えるかわりに、危険が沢山あった。けれどもやっぱり、二人でいれるということは苦にならなかった。
そしてある日、出会ったのが生涯私が父さんと呼ぶことにした、遠矢(トウヤ)。25歳と若い素材回収人だった。けど、襲われている彼を寝覚めが悪いという理由のみで助けたことに契約が結ばれた。それはトウヤが私たちに充分な衣食住を与える代わりに私が彼のボディガードをする、ということ。もうすでにオウガテイル程度のアラガミを退治出来たし、それ以上だって引き付けて逃がす隙を作ることだって出来た。



この六年間は楽しかった。



だから、悲しかった。



だから二人の亡骸の前で放心している私に救助班の人が名前を聞いたときと、ハルカを呼びかけたときのタイミングが合ってしまって。出生登録もしていないから私は【シノサキ ハルカ】になってしまった。

それでいい、と思ったのだ。

私に感情と名前を与えてくれた、大好きなハルカ
ハルカがこの世から消えるなんて許されない
私が死ねばよかったのに
でも、もう覆しようのない事実だから

ハルカとして生きて、
ハルカとして死のう。





けど、さっきの話を聞いて、やっぱりハルカになりきれてなかった
私は私として生きていた
無駄なことだった?

――――違う

嬉しい
彼らが、私を見ていたことに
あんなに人を寄せ付けなかったのに
そして思い返す最後の言葉



『ハルカを殺さないで。トオルを殺さないで』



ハルカに、もはや成りきれない私がハルカを演じるということは、ハルカを殺すことである
死んだ人を演じるトオルは、代わりに死んだことになってしまう





「…………トオル」

聴覚が鋭いソーマが、トオルの呼吸が変わったのに気づいた。眠りから目覚めの呼気を。

「トオルくん、気分はどうだい?」
「最悪だわ…………でも、少しスッキリしたかも」



「認めたくなかった。ハルカは私の大切で大好きな人だから。私は私でいいって教えてくれたのに、守るって言ったのに、私は何も返せなかった………私は何を返せたのかな」

「それはこれから考えていけ。まずは、」



「トオルさん、これにしましょう」
「じゃあこのミッションお願いしまーす」

一週間後、トオルは変わった。いや、元々の性格に戻ったのだ。

「ん、女の子だけでどこ行くんだ?」
「トオルさんのリベンジです」
「ウロヴォロスだよー」
「あー………ソーマ、ついていこうか」
「…………あぁ」

トオルは正式にちゃんと登録し直された。救助班は精神状態を考慮せずに名前確認を行ったとして厳重注意と半年の減俸が下されたらしい。

「こないだ面白そうな物見つけたんだけど、壁に埋まっちゃってて取れないの。ウロのおっきい腕で壊せないかと思って」

今のトオルの笑みが、部屋にある写真と同じだと第一部隊が知るのは、もう少し










「にしてもおどろいたわ。ソーマがあんなに積極的になったのって、シオ以来よ」
「へぇ、こりゃあ面白………じゃない。サクヤそんなに睨むな。わからなくもないだろ?」
「そうだけど」
「お互いにいい影響になればいいな」





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