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なれ初め?
「大好きだよ」
第一部隊の誰もが言われたことのある言葉
しかしいつからか、たった一人にしか言わなくなったのだ
彼は気づかない
彼女は気づかれなくてもいいと思っている
交わらない平行線
だからとて、手出しはできない――――
ことあるごとに、なんでもない時に、思い出したように、確かめるように、『大好き』だと言うサツキ。
「みんな大好きー♪」
そんな言葉は殺伐とした状況下で、つかの間の安堵をもたらしてくれたものだった。いつしかアイツ―――ソーマにのみ言い始めた時には、一抹の寂しさを覚えたものだ。
そして今まさにその場面。
「リンドウ?」
「いやー、幸せモンだよなーっと」
「あぁ………」
任務から戻ってきたソーマはサツキに怒っていた。どうもサツキが注意力散漫で背後からの攻撃に気づかなかったらしい。ソーマがなんとか盾を開いて難を逃れたようだが、それ礼の後にあの『大好き』発言。
しかし、ソーマは意に介した様子もなく、額を軽く叩いてエレベーターに乗ってしまった。それをやや寂しそうな視線で見送るサツキを見て、サクヤは若干不満げな声を出す。
「言葉って言うのは、相手が意思をくんでくれて、はじめて通じたと言うんじゃないかしら」
「それも一理あるな」
「他になにかあるの?」
「塵も積もればなんとやら、さ」
「?」
「通じてなくたって、言われた言葉は積み重なっていくものさ…………良くも悪くもな」
「!」
「なぁーに、大丈夫だろ。『大好き』は率直な好意だからな」
それにサクヤの言い分も、そう遠くないはずだ
ただちょっと、アイツは表面的な好意に慣れてないだけだから
きっと私の気持ちは迷惑
それでも『大好き』はソーマにしか言いたくない
大事なんだ
大切なの
いつかまた、他の皆にも言えるよ
だから気づかなくていい
でもせめて、キミの心が穏やかに過ごせるまで
想わせて
気づいてなくもない
が、確証はない
…………いや本当は
怖いだけなんだ
あんなあからさまな好意を向けられたのは初めてだから
でも、何を言ったらいいのかわからない
知らない
微笑みは作られ、瞳の中は悲しそうで、胸に突き刺さる罪悪感
そして秘めさせている感情
…………進んでも、いいのだろうか?
明くる日
サツキ#がぼろぼろになって帰投した。新人教習の際、突如シユウの堕天が襲いかかってきたのだ。任務内容には書かれていなかったにも関わらず。だがサツキの実力ならシユウの堕天一匹なら余裕のはずであるけれども、その新人が恐怖に固まりどうしようもなくなってしまったのだ。スタングレネードも、間に合わなかったのである。
「久しぶりに頭からパクリを見ちゃって、びっくりしてたらヴァジュラテイルも来てさぁ………油断しちゃった」
力なくとも微笑んではいるが、体は小刻みに震えて、目も潤んでいる。
医師は新たな重傷人の手術のために出ていって、病室には誰もいない
「――――無理して笑うな。泣いた方が、まだマシな顔だぞ」
目を見開き、二度、三度と瞬きをして瞼を伏せる。それから眼の端からふた雫の涙があふれた。
「ソーマは沢山こんな悲しい気持ちになったんだよね」
「……………」
「私、本当はちょっとだけ、死んじゃってもいいかなぁなんて思ってた」
「なぜ」
「お父さんお母さんもいないし、愚兄も行方不明だし、孤児院では一番の年上だったから頼られるばっかりだったし………安心できる場所がほしかったの」
「でもね、今回改めて思い知らされた。たとえ日が浅くても仲間が死んだら、悲しいものは悲しいんだってこと。人に悲しい思いはさせたくないな、って思った」
涙は乾き、唇を噛む。傷ついているのに、一人で立とうともがいている。
いま、てをのばしたら
つかまえられるだろうか
「ソ、ソーマ?」
「………ちっせぇな」
「ち、ちっちゃくないよ!これでもで「そういう意味じゃねーよっ」」
抱きつかれたままため息をつかれても困る。耳に吐息がかかってくすぐったい。
「…………どうしたの?」
それは自分が聞きたかった。特に考えもせずに抱きついたものだから、どうすればよいのやら。
そういえばと、自分はどうだろうかと振り返ってみた。
死にたいと思ったことはなかったはずだ。だが、死んだらその時はその時だろうと、たいして【生(せい)】に執着していなかった。ただ下された任務を遂行するだけ。恐怖はなかったとは言いきれないが、限りなく薄かったと思う。
しかし今はどうだろう?腕の中にいるサツキが消えたら、きっと言いようのない虚無感に囚われるだろうし、そもそも考えたくもない。
「初めて心底望んだことがある」
こんなクソッタレな世界でも
お前と生きてみたいんだ
「あら」
いつかの日、サクヤは手を繋ぐソーマとサツキを見た。
はじめまして、新しい自分
さよなら、死にたがり
一生懸命愛そう
第一部隊の誰もが言われたことのある言葉
しかしいつからか、たった一人にしか言わなくなったのだ
彼は気づかない
彼女は気づかれなくてもいいと思っている
交わらない平行線
だからとて、手出しはできない――――
ことあるごとに、なんでもない時に、思い出したように、確かめるように、『大好き』だと言うサツキ。
「みんな大好きー♪」
そんな言葉は殺伐とした状況下で、つかの間の安堵をもたらしてくれたものだった。いつしかアイツ―――ソーマにのみ言い始めた時には、一抹の寂しさを覚えたものだ。
そして今まさにその場面。
「リンドウ?」
「いやー、幸せモンだよなーっと」
「あぁ………」
任務から戻ってきたソーマはサツキに怒っていた。どうもサツキが注意力散漫で背後からの攻撃に気づかなかったらしい。ソーマがなんとか盾を開いて難を逃れたようだが、それ礼の後にあの『大好き』発言。
しかし、ソーマは意に介した様子もなく、額を軽く叩いてエレベーターに乗ってしまった。それをやや寂しそうな視線で見送るサツキを見て、サクヤは若干不満げな声を出す。
「言葉って言うのは、相手が意思をくんでくれて、はじめて通じたと言うんじゃないかしら」
「それも一理あるな」
「他になにかあるの?」
「塵も積もればなんとやら、さ」
「?」
「通じてなくたって、言われた言葉は積み重なっていくものさ…………良くも悪くもな」
「!」
「なぁーに、大丈夫だろ。『大好き』は率直な好意だからな」
それにサクヤの言い分も、そう遠くないはずだ
ただちょっと、アイツは表面的な好意に慣れてないだけだから
きっと私の気持ちは迷惑
それでも『大好き』はソーマにしか言いたくない
大事なんだ
大切なの
いつかまた、他の皆にも言えるよ
だから気づかなくていい
でもせめて、キミの心が穏やかに過ごせるまで
想わせて
気づいてなくもない
が、確証はない
…………いや本当は
怖いだけなんだ
あんなあからさまな好意を向けられたのは初めてだから
でも、何を言ったらいいのかわからない
知らない
微笑みは作られ、瞳の中は悲しそうで、胸に突き刺さる罪悪感
そして秘めさせている感情
…………進んでも、いいのだろうか?
明くる日
サツキ#がぼろぼろになって帰投した。新人教習の際、突如シユウの堕天が襲いかかってきたのだ。任務内容には書かれていなかったにも関わらず。だがサツキの実力ならシユウの堕天一匹なら余裕のはずであるけれども、その新人が恐怖に固まりどうしようもなくなってしまったのだ。スタングレネードも、間に合わなかったのである。
「久しぶりに頭からパクリを見ちゃって、びっくりしてたらヴァジュラテイルも来てさぁ………油断しちゃった」
力なくとも微笑んではいるが、体は小刻みに震えて、目も潤んでいる。
医師は新たな重傷人の手術のために出ていって、病室には誰もいない
「――――無理して笑うな。泣いた方が、まだマシな顔だぞ」
目を見開き、二度、三度と瞬きをして瞼を伏せる。それから眼の端からふた雫の涙があふれた。
「ソーマは沢山こんな悲しい気持ちになったんだよね」
「……………」
「私、本当はちょっとだけ、死んじゃってもいいかなぁなんて思ってた」
「なぜ」
「お父さんお母さんもいないし、愚兄も行方不明だし、孤児院では一番の年上だったから頼られるばっかりだったし………安心できる場所がほしかったの」
「でもね、今回改めて思い知らされた。たとえ日が浅くても仲間が死んだら、悲しいものは悲しいんだってこと。人に悲しい思いはさせたくないな、って思った」
涙は乾き、唇を噛む。傷ついているのに、一人で立とうともがいている。
いま、てをのばしたら
つかまえられるだろうか
「ソ、ソーマ?」
「………ちっせぇな」
「ち、ちっちゃくないよ!これでもで「そういう意味じゃねーよっ」」
抱きつかれたままため息をつかれても困る。耳に吐息がかかってくすぐったい。
「…………どうしたの?」
それは自分が聞きたかった。特に考えもせずに抱きついたものだから、どうすればよいのやら。
そういえばと、自分はどうだろうかと振り返ってみた。
死にたいと思ったことはなかったはずだ。だが、死んだらその時はその時だろうと、たいして【生(せい)】に執着していなかった。ただ下された任務を遂行するだけ。恐怖はなかったとは言いきれないが、限りなく薄かったと思う。
しかし今はどうだろう?腕の中にいるサツキが消えたら、きっと言いようのない虚無感に囚われるだろうし、そもそも考えたくもない。
「初めて心底望んだことがある」
こんなクソッタレな世界でも
お前と生きてみたいんだ
「あら」
いつかの日、サクヤは手を繋ぐソーマとサツキを見た。
はじめまして、新しい自分
さよなら、死にたがり
一生懸命愛そう
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